メモ:沖縄の著作権史
山田奨治. 日本文化の模倣と創造 : オリジナリティとは何か. 角川書店, 2002, 229p.
の沖縄の著作権に関する節が面白かったので、メモ。
切っ掛けは、Sci-Hubが話題になった際の岡部さんのこちらのtweetから。
括弧書きつきだけれども「海賊版」がこれまで学術等の世界にどのような(良い)影響を与えたかについては山田 奨治『〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争』をみんな読もうぜー!
— yuki (@yuki_o) November 13, 2018
あと佐藤 卓己ほか『デジタル情報社会の未来 (岩波講座 現代 第9巻)』収録の同・山田論文おもしろいよー
こちらで紹介されている論文にも沖縄の著作権に関する記述があったことです。ありがとうございました!
沖縄の著作権沿革
沖縄の著作権法改正
罰金規定がドルに変更されていますが、もっとも大きな変更は二十八条の変更です。
沖縄復帰に伴う特別措置に関する法律
復帰直前の沖縄の著作権法では保護期間は30年でしたが、日本では1970年の改正により50年に延長されていました。
沖縄の復帰は1972年で日本の著作権法が出来ようされるまで2年間のギャップがあり、結果として沖縄ではパブリックドメインだが、日本では著作権保護対象という事例が生じました。例として、宮沢賢治と梶井基次郎が挙げられています。そのトラブルを防ぐため、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の中で、本土で「情を知つて頒布する行為」は禁じられています。どうやって、「情を知つて」を判定するんだろと思いますが…。
また、「非琉球人」という枠組みがなくなり、それまで保護されていたソビエト連邦や韓国など一部の外国の著作物が保護対象から外れました。