IIIF画像をダウンロードできるツールを作りました。(Windows10用)

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digitalnagasaki.hatenablog.com

を見て、GUIアプリ開発の勉強がてら作ってみました。以下のリンクからダウンロード出来ます。(45MB)
www.dropbox.com

文字コードUTF8のテキストファイルを準備し、Manifest URIを1行づつ書き込んだテキストファイルを準備します。以下のようなイメージです。

https://www.dl.ndl.go.jp/api/iiif/2533251/manifest.json
https://www.dl.ndl.go.jp/api/iiif/1306954/manifest.json

ダウンロードしたexeファイルを起動した後に、参照をクリックしてテキストファイルを読み込むと、順番に画像をダウンロードします。

  • exeファイルと同一階層にManifestのlabel名のディクレトリを作成。
  • Manifestのlabel、attribution、metadataの各項目を記述したhtmlを作成。
  • 全ての画像を結合したpdfを作成。

エラー処理など一切していないので、読み込むファイルにミスがあると強制終了します。

GUIはPyQt5、exe化はpyinstallerを利用しました。
PyQt5 Reference Guide — PyQt 5.11.1 Reference Guide
PyInstaller Quickstart — PyInstaller bundles Python applications

pyinstallerは重いしファイルも肥大化しますが、簡単かつPython環境を準備して貰わなくてもよいのがいいですね。

はじめはGUIの記述にPython標準のTkinterを使っていたのですが、(自分のスキル不足のせいかもしれませんが)あまりに古くさく感じたので、そこそこお手軽そうなPyQtを選択しました。
GUIの構成は、ほぼイメージしていたものを実装している記事があって、大変助かりました。
qiita.com

今回私が書いたものは、以下に置いてあります。コピペが多くて命名が酷いですが…。
https://github.com/otani0083/iiif_image_downloader

重くて使いにくいと感じる方やMac使っている方は、Pythonで直接操作してもらえれば。
GoogleアカウントとChromeがあれば、インストール不要でGoogle Colabですぐに利用できます。
https://colab.research.google.com/

Pythonの入門書は機械学習ブームで、沢山出ています。個人的なおすすめは、ノンプログラマー向けでいろいろ活用の方法を書いているこの本です。

この本もPythonを扱っているし、図書館で使えそうなツールを作っていく形で分かりやすいのですが、Python2環境*1だったと記憶しているので、おすすめしにくくなっています。

*1:Python2からPython3で結構大きな変更が行われている

メモ:沖縄の著作権史

山田奨治. 日本文化の模倣と創造 : オリジナリティとは何か. 角川書店, 2002, 229p.
の沖縄の著作権に関する節が面白かったので、メモ。

切っ掛けは、Sci-Hubが話題になった際の岡部さんのこちらのtweetから。


こちらで紹介されている論文にも沖縄の著作権に関する記述があったことです。ありがとうございました!

沖縄の著作権沿革

沖縄の著作権法改正

罰金規定がドルに変更されていますが、もっとも大きな変更は二十八条の変更です。

改正前

第二十八条 外国人の著作権に付ては条約に別段の規定あるものを除く外本法の規定を適用す但し著作権保護に関し条約に規定なき場合には帝国に於て始めて其の著作物を発行したる者に限り本法の保護を享有す

改正後

第二十八条 非琉球人の著作権に付ても本法の規定を適用す

外国人が日本の本土人も含む「非琉球人」に替わり、条約に関する記述が削除されています。

  • 自分たちの著作物が保護の如何に関わりなく、一方的に外国の著作物を保護する片務的な内容であること
  • 国際著作権の保護は、諸外国の文化の導入を容易にするのではなく、困難にするにも関わらず、立法趣旨として真逆の説明が

なされていること
山田氏は、上記の2点から沖縄の立場の弱さを、「非琉球人」への変更により日本本土の著作物も保護するという部分から、日本復帰への憧憬を指摘しています。

沖縄復帰に伴う特別措置に関する法律

復帰直前の沖縄の著作権法では保護期間は30年でしたが、日本では1970年の改正により50年に延長されていました。
沖縄の復帰は1972年で日本の著作権法が出来ようされるまで2年間のギャップがあり、結果として沖縄ではパブリックドメインだが、日本では著作権保護対象という事例が生じました。例として、宮沢賢治梶井基次郎が挙げられています。そのトラブルを防ぐため、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の中で、本土で「情を知つて頒布する行為」は禁じられています。どうやって、「情を知つて」を判定するんだろと思いますが…。
また、「非琉球人」という枠組みがなくなり、それまで保護されていたソビエト連邦や韓国など一部の外国の著作物が保護対象から外れました。

所感

現在の沖縄の立ち位置も考えさせられる事例でした。その他にも治外法権著作権の関わりなど恥ずかしながら知らないことが多かったです。2002年の本ですが、著作権法改正が話題になるなか、今読んで良かったです。

IIIFで公開されている地図の中の沖縄

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人文学オープンデータ共同利用センターが昨年の11月に正式公開したIIIF Curation Platformのデモサイトを利用して、IIIF対応で公開されている地図で沖縄が描かれているものをいくつかまとめてみました。以下のリンクからアクセス出来ます。

沖縄の地図
http://codh.rois.ac.jp/software/iiif-curation-viewer/demo/?curation=https://mp.ex.nii.ac.jp/api/curation/json/1db5fc12-0722-452c-9e35-bd7cc2ae4f54

Stanfordで公開されていた沖縄本島のバス路線図*1伊万里焼に描かれた日本などもあります。

各資料の公開機関は以下です。ビューワー上の右下のアイコンから詳細確認出来ます。

IIIF Curation Platformのリリース
ニュース | 人文学オープンデータ共同利用センター

IIIF Curation Platform
IIIF Curation Platform | 人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)
デモサイトと充実したチュートリアルがあるので、ちょっと読んだだけで上記のようにIIIFに対応したコンテンツで、自分が気になった部分の画像を収集し、共有することができます。デモ環境ということでデータの長期的な保存は保証されていませんが、JSON形式で出力できます。
デモ環境では利用できませんが、IIIF Curation Finderの環境を準備すれば、顔貌コレクションのようにさまざまな切り口で画像を表示できます。
顔貌コレクション
年代や作成された地域などで分類できると面白そうですね。

これまでは、Mirador の使い方を説明してIIIFを便利に使って貰うのはそれなりにハードルあると感じていましたが、そこが一気に解決した感があります。

IIF対応のコンテンツを探すのは、主にIIIF Discovery in Japan · HOMEを利用しました。各コンテンツの詳細画面から、IIIF Curation Viewerをビューワーとして選択できるため、検索から画像のキュレーションまでシームレスに作業できるのは便利です。

IIIF Curation Viewerは、2017年10月に九州大学で開催されたIIIFのワークショップで、永崎先生から紹介された際に初めて存在を知りましたが、その時は作成したキュレーションの共有などは出来なかったように記憶していますが、そこから1年ちょっとなんですね。
www.lib.kyushu-u.ac.jp

IIIFに対応しているか、オープンライセンスを採用しているかで、資料利用のされ方に大きな差がついてくる可能性を改めて実感しました。
とりあえず所属機関のデジタルコンテンツのIIIF対応を次年度の目標に働きます。

各ツールの作成者さまや、資料公開されている各機関のみなさまありがとうございました。

スタートアップカフェコザに行ってきました。

これも少し前の話ですが、前記事のメーカースペースつながりということで。
まだ未訪問だった沖縄市のスタートアップカフェコザに行ってきました。
startup-cafe.okinawa

起業したいわけではなく、こちらのOKINAWA MIRAI FACTORYでレーザーカッターや3Dスキャナを利用したかったのです。

他にも料金プランはあるのですが、1日500円で各種機材が自由に利用できます。資材は自分で用意する必要あり、一部の資材は販売もしています。また、機材の操作も自分で行う必要があります。(最初の利用時には、操作説明があります。)

利用可能な機材

  • 3Dプリンタ
  • 3Dスキャナ
  • レーザーカッター*1
  • ガーメントプリンター(Tシャツなどにプリント可、1枚500円)





作ったもの

コルクや珪藻土、木材を使ってコースターを作りました。コルクや珪藻土のコースターはダイソーで購入したものです。

時間はかかるものの*2、画像を用意すれば簡単に作れるので楽しいですね。
画像は切断は赤でベクター形式の線、刻印は黒で用意する必要があります。形式はjpegとかでもOK。

楽しかったので、またちょっとした小物を作りに行こうと思います。写真のセミナーなども開催されているので、そちらも気になります。
しかし、実際に操作してみて、導入もそれなりにコスト係りますが、消耗品も含めた運用のランニングコストが相応に大変ですね…。

*1:レーザー加工機・レーザーカッターなら HAJIME(はじめ)

*2:パラメータの調整なども含めて、これで2時間くらいはかかった記憶が

韓国の大学図書館で何が話題になっているのか? 2018年版

2018年のうちに書いておこうと思い…。

2018年6月20−21日、釜山で開催。
2018 전국대학 도서관 대회에 오신것을 환영합니다.
配付資料は以下で公開されています。PDF、英語のスライドもありますが、基本は韓国語です。
http://library.riss.kr/download/2018/2018_lib.pdf

分科会の構成が2017年に続き、今年も見直されているようです。2016年以前は、整理、収書、相互貸借、レファレンス・閲覧、電算部門の5つだったものが、2017年には図書館マーケティングが追加され、かわりに相互貸借とレファレンス・閲覧が統合、2018年には、図書館サービスとマーケティング、海外情報、デジタル学術情報の3つに変更されています。海外情報は旧収書の分科会という位置づけで、扱っているテーマは電子ジャーナル問題が中心になっています。CA-Rでも関連するトピックが取り上げられていますね。

全体会

  • 基調講演 新しい図書館政策と方向
  • 技術革新時代の大学の役割
  • 知能情報時代における大学図書館の問題解決策

館/課長会議

実務グループ分科会

図書館サービスとマーケティング

  • KERIS-国立障害者図書館 情報疎外階層への相互貸借連携サービスの紹介と協力案
  • 人が本である。Human Book Library
  • KAISTの研究成果サービスと論文の比較分析サービスの紹介

海外情報

−研究競争力確保のための大学図書館国家支援モデルの研究

デジタル学術情報

  • From Independent Collection Curation to Collaborative Knowledge Creation
  • 大学図書館のクリエィテイブスペースとメーカースペース運営のための機関リポジトリ活用事例
  • シラバス連携蔵書開発システムの開発と運用

2日目は、釜山大のSCI収録ジャーナルに発表された学術論文分析サービスやIthaka S+Rの「Supporting Research Across Asian Studies: Findings from a Large-Scale Qualitative Study」についての報告が行われています。

大学図書館のクリエィテイブスペースとメーカースペース運営のための機関リポジトリ活用事例

この発表が気になったので、ざっとスライドを見てみました。
延世大学の事例です。2017年にいわゆるラーニングコモンズ(IDEA Commonsという名称)とメイカースペース(IDEA Commonsに隣接、3Dプリンタや3Dスキャナ)を設置したようです。
オープニングセレモニーや紹介動画を公開していました。
youtu.be

研究データ管理の一環として、これらの空間で生成されたものも含む3D modelなどのデータも機関リポジトリで保存・公開するといったことを検討しているようです。2018年12月現在、ざっと検索した限りでは、そのようなデータは公開されていないようでした。保存や学内公開などが行われている可能性はあります。
延世大の機関リポジトリ
dCollection 디지털 학술정보 유통시스템
d3.jsを使ったワードクラウドなど可視化が良いですね。コンテンツは学位論文がほとんどで、FAQなども学位論文の提出に関連したものが中心です。

メーカースペースで生成される3Dデータの共有は面白いですが、まずユーザーにとって便利でなければ使われるはずがないので、どういったフローでの登録を考えているのかが気になりました。

延世大は2011年に見学しましたが、それから大分様変わりしているようですね。

大谷 周平, 和田 省子, 韓国の大学図書館における学習環境とサブジェクトライブラリアン, 大学図書館研究, 2012, 96 巻, p. 23-32, https://doi.org/10.20722/jcul.107.

Web AR事始め


最近、Web AR(Augmented Reality)を使って遊んでいるので紹介を。
写真は上司が作成した某大学附属図書館の非公式キャラクターです。右側は同僚が作ってくれたモデルです。

ARとはJapan Knowledge収録のイミダスによると*1

カメラを通して見る現実の風景や建物などの映像に、リアルタイムで文字やイラストなどのデジタル情報を重ね合わせる技術。コンピューターなどの仮想空間で現実を再現するバーチャル・リアリティーVR 仮想現実)に対して、情報を補足して現実を強化するという意味で「拡張現実」と呼ばれる。例えば、カメラでレストランを撮影すると、その映像に店名やメニューなどを重ねて映すことなどが可能。

"AR(拡張現実)[イミダス編 科学]", 情報・知識 imidas 2018, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-11-28)

切っ掛けは島根大学附属図書館さんの取り組みからです。
www.asahi.com
www.facebook.com

このニュースが職場で話題になったとき、私はてっきりARの実装には専用アプリが必要と思っていたのですが、Web ARだとそれなりに最近のOSがインストールされたスマートフォンタブレットからブラウザ経由で実現できることを知りました。(これも上司からの情報)

平面画像ならジェネレータ作成されている方もいます。画像に動きをつけたり、クリックした場合の動作なども設定できるみたいです。
WebARジェネレータ
web-ar-generator.firebaseapp.com

デモ

今回は冒頭の写真のように3D モデルを利用したデモです。一番やっかいなのは3D モデルで、単純に表示するだ
けなら、以下の2つのライブラリを読み込み、簡単なHTMLとhttps通信可能なサーバーがあれば実現できます。
AR.js/README.md at master · jeromeetienne/AR.js · GitHub
A-Frame – Make WebVR
3D モデルはGoogle Polyでも探せます。
https://poly.google.com
動作環境はiOS の11以上のSafariもしくはChrome、Android4.4.2.以上のChromeです。

手順
  1. 動作環境を満たすスマートフォンのブラウザでhttps://sm1021.skr.u-ryukyu.ac.jp/ar/index.htmlにアクセス。以下のQRコードからでも。

f:id:otani0083:20181204225952p:plain

  1. ブラウザで開くとカメラへのアクセスが求められるので許可
  2. 以下のマーカーへカメラをかざす

f:id:otani0083:20181204230010p:plain

冒頭のような3Dモデルが表示されるはずです。
ソースコードは本当にhtmlを記述するだけです。音を出したりとか、動きを出すにはプログラミングが必要ですが。

<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
    <meta charset="utf-8">
    <script src="https://aframe.io/releases/0.8.0/aframe.min.js"></script>
    <script src="https://jeromeetienne.github.io/AR.js/aframe/build/aframe-ar.js"></script>
    <script src="https://cdn.rawgit.com/donmccurdy/aframe-extras/v4.2.0/dist/aframe-extras.min.js"></script>
    <title>WebARテスト</title>
</head>
<body style='margin : 0px; overflow: hidden; font-family: Monospace;'>
    <a-scene stats embedded arjs='debugUIEnabled: false; sourceType: webcam; detectionMode: mono; maxDetectionRate: 30; canvasWidth: 240; canvasHeight: 180'>
        <a-assets>
            <a-asset-item id="kijimun" src="https://sm1021.skr.u-ryukyu.ac.jp/ar/3d/model/kijimun3a.glb"></a-asset-item>
        </a-assets>
        <a-marker preset="custom" type="pattern" url="https://sm1021.skr.u-ryukyu.ac.jp/ar/3d/marker/pattern-marker.patt">
            <a-entity gltf-model="#kijimun" animation-mixer position="0 0 0" rotation="0 120 0" scale="1.5 1.5 1.5" visible="true" soundhandler>
            </a-entity>
        </a-marker>
        <a-camera-static />
    </a-scene>
</body>
</html>

手順3.で利用した画像は以下のサービスを使って作成できます。
AR.js Marker Training


図書館では、ゲームのギミックや島根大学附属図書館さんのように展示に使えそうですね。
3Dモデルさえ準備できれば簡単なのでお試しください。

参考URL
あのARをブラウザで体験できる!「AR.js」で遊んでみた | 東京上野のWeb制作会社LIG

qiita.com

簡単に無料でつくれるWebARアプリ - Qiita

*1:引用元挿入機能がChromeでもつかえて便利ですね。2009年にはAR収録されていたのですね。