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自機関の研究者はどのジャーナルから論文を引用しているのか?

図書館

この記事ではWeb of Scienceから出力したデータを用いて、研究者が投稿した論文で引用したジャーナル情報を抽出する方法を紹介します。

大学は学術雑誌に多大な投資をしていますが、研究者が利用するジャーナルを適切に提供できているのかを知ることが目的です。(残念ながらこの記事ではそこまで調査できていません。)関係する研究としては以下の2つがあります。(id:nacomintさんありがとうございました!)

  • 気谷陽子, 歳森敦. 学術図書館における学術文献の供給可能率に関する研究. 情報の科学と技術. 2002, vol. 52, no. 9, p. 477–483. http://ci.nii.ac.jp/naid/110002829096/, (参照 2017-02-01).
  • Ishita, Emi, Watanabe, Yukiko, Yamaguchi, Ai, Oda, Takako, Higa, Yuiko, Horiuchi, Miki, Mitani, Naoya. The Ratio of Conference Papers in Citations of Engineering Dissertations at Kyushu University. Springer Berlin Heidelberg, 2012, p. 59–62. http://link.springer.com/10.1007/978-3-642-34752-8_7, (参照 2017-2-01).

Web of Scienceから分析対象のデータをテキスト形式でダウンロード、簡単なテキスト処理を行ってデータを構造化、分析という流れです。分析にはPythonを利用しています。

手順

  1. Web of Scienceにアクセスして、検索フィールド「所属機関-拡張」で「univ* ryukyu*」を検索。検索期間は2016年に。f:id:otani0083:20170228234344p:plain
  2. 検索結果一覧画面で「他のファイルフォーマットで保存」を選択。f:id:otani0083:20170228234651p:plain
  3. 最大500件まで出力できるのでレコード番号を指定、「詳細情報と引用文献」「テキスト」を選択して出力。f:id:otani0083:20170228234820p:plain
  4. 必要なデータを全て出力するまで、3.を繰り返す。
  5. Pythonでデータ処理(利用したコードは後述)。

出力したテキストデータには以下のような引用文献のデータが含まれています。Web of Scienceに採録されていないジャーナルなどからの引用も出力されているようです。

CR Butterfield DA, 1997, PHILOS T R SOC A, V355, P369, DOI 10.1098/rsta.1997.0013
Charlou JL, 2000, CHEM GEOL, V171, P49, DOI 10.1016/S0009-2541(00)00244-8
Coplen TB, 2002, PURE APPL CHEM, V74, P1987, DOI 10.1351/pac200274101987

ほかにもアブストラクトやDOI、投稿したジャーナルの出版社などの情報も取得できます。
単なるテキストデータですが、各項目の見出しが行頭に、要素の繰り返す場合は行頭が空白文字列という規則的な構成になっているので、比較的簡単にデータを構造化することができます。ただし、引用文献のデータそのものは1行1レコードの文字列に過ぎないので、さらに加工が必要です。前述のデータはカンマ区切りで著者,刊行年,ジャーナル名,巻号,DOIとなっていて扱いやすいのですが、書籍やWebサイトからの引用や巻号の構造などの要因でレコードの要素数が一定ではありません。今回はある程度割り切ってカンマで分割し、そのうちの3番目の要素をジャーナル名とみなしました。というわけで以下のすべての結果は、大まかな傾向は示しているはずですが、完全に正確なデータという訳ではありません。

結果

2016年に琉球大学の研究者が共著も含めて執筆に関わった論文数は561(2017年3月1日現在)、その論文のなかで引用されている資料数は20737。
論文単位の最小引用数は0、最大引用数は320、平均36.97、320の文献を引用しているのはWoSの分類でZoologyの原著論文([doi: 10.3897/zookeys.641.10346])でした。Pythonの機能を使って、箱ひげ図でプロットすると、320件の引用しているものは外れ値扱いされています。
f:id:otani0083:20170302161842p:plain

論文のなかで引用されていたジャーナルのTOP20とその引用数は以下の表のとおりです。

ジャーナル名 引用数
1 NATURE 268
2 P NATL ACAD SCI USA 247
3 PLOS ONE 225
4 SCIENCE 219
5 PHYS REV B 181
6 J PHYS SOC JPN 158
7 J BIOL CHEM 137
8 CORAL REEFS 129
9 PHYS REV LETT 117
10 NEW ENGL J MED 106
11 MOL BIOL EVOL 101
12 BLOOD 98
13 NAT GENET 97
14 PHYS REV D 97
15 J IMMUNOL 91
16 LANCET 88
17 BIOINFORMATICS 83
18 J AM CHEM SOC 82
19 ZOOL SCI 82
20 MAR BIOL 81


ジャーナル名称は省略形でしか出力されませんが、上位20位だとさすがに有名どころが多いですね。
Coral ReefsやMarine Biologyあたりは、自機関の特徴を表していそうです。

ただし、上位20タイトルでは引用されている資料数20737の13%程度しかカバーできず、80%までカバーするには2150タイトル必要という結果になりました。PLOS ONEが3番目に引用されているようにOAジャーナルも一定程度含まれているとは思いますが、ビッグディールの恩恵が多分にありそうです。

大学図書館でどの程度文献が提供できているか、どのジャーナルパッケージがよく利用されているか、どの程度OAの文献が引用されているかなどを明らかにするのが次の目標です。雑誌の省略形>ISSN>リンクリゾルAPIという流れでジャーナルの詳細を調べる、もしくはDOIが含まれているレコードに限定して調査すれば実現できそうです。

以下、いくつかこんなデータも出してみました。

引用文献の出版年

出版年 件数
2016 255
2015 982
2014 1283
2013 1325
2012 1287
2011 1189
2010 1088
2009 1055
2008 985
2007 891
2006 836
2005 805
2004 728
2003 632
2002 521
2001 504
2000 542
1999 462
1998 384
1997 339
1996 312

2012から2014に書かれた論文が最も引用されており、それ以前の論文は徐々に件数を減らしています。一方で1500年代から1700年代の文献の引用も確認されました。分野によってどの程度過去の文献を参照するかは傾向があるはずなのでそれを確認することや、OAになっている資料の比率なんかを調べても面白いかもしれません。2,3の論文を見た範囲ですがZoologyのなかでも分類に関連した研究は1800年代の研究もよく参照しており、
Biodiversity Heritage Libraryのお陰で利用できるという資料も多かったです。

投稿しているジャーナルの出版社

出版社 件数
1 WILEY-BLACKWELL 51
2 SPRINGER 30
3 ELSEVIER SCIENCE BV 24
4 PUBLIC LIBRARY SCIENCE 21
5 PERGAMON-ELSEVIER SCIENCE LTD 19
6 BIOMED CENTRAL LTD 17
7 PHYSICAL SOC JAPAN 15
8 NATURE PUBLISHING GROUP 13
9 SPRINGER JAPAN KK 13
10 ELSEVIER SCI LTD 12
11 LIPPINCOTT WILLIAMS & WILKINS 11
12 SPRINGER HEIDELBERG 11
13 ACADEMIC PRESS INC ELSEVIER SCIENCE 10
14 TAYLOR & FRANCIS LTD 10
15 OXFORD UNIV PRESS 7
16 AMER PHYSICAL SOC 6
17 ELSEVIER SCIENCE INC 6
18 IMPACT JOURNALS LLC 6
19 IOP PUBLISHING LTD 6
20 MDPI AG 6

Wileyがトップなのかと思いましたが、Springer、Elsevierは系列会社?で分散しているので、このあたりはまとめて集計したほうがよさそうです。ぱっとSpringer関係が一番投稿数としては多そうですね。

ソースコード

あんまり大したことはしていませんが、分析に利用したソースコードは以下からご覧いただけます。
Jupyter Notebook Viewer

こういう段階的に調査していくときにJupyter notebookはとても便利ですね。いまは環境構築も簡単にAnacondaをインストールするだけでだいたい終了です。Anacondaは以下からダウンロードできます。

Download Anaconda Now! | Continuum

EBSCO社フォーラム「アメリカにおける図書館関連テクノロジーと大学図書館の現在」2016/10/24

図書館

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もう半月がたとうとしていますが…。あのLibrary Technology Guides: Documents, Databases, News, and CommentaryのMarshall Breeding氏が来日するということで参加してきました。

イベントの概要ページは以下です。
EBSCO Publishing

講演概要

図書館システムのトレンドについて

まず、総合司会のMarshall Breedingより図書館システムのトレンドとして、Library Services Platform(以下、LSP)、Discovery Service、Open Sourceの現状について簡単な説明がありました。
LSPについては、Breeding氏の昨年のレポートを下敷きに紹介記事を書いているので、その2章を読んでいただければ。*1
Discoveryは従来のOPACで対象としてこなかったArticleレベルの情報やWebコンテンツなどを対象とした検索サービスといった程度でした。Open Sourceへのつなぎで、Bento styleのユーザーインターフェイスについても紹介がありました。
*2
Open Sourceの現状では、ソフトウェアライセンスではなく、データ移行やユーザートレーニング、ホスティングなどサービスの対価をえるビジネスモデルが展開されていること、図書館が利用する際にもテクニカルスタッフが必要だが、オープンソースの商用サポートを利用することによって、必ずしも増員する必要はないとのことでした。(北米ではという前提条件がつくと思いますが)

Caltech Library-Supporting 21st Century Research

Kristin Antelman氏(Caltech Library)によるOpen SourceのLSPとEBSCO Discovery Service(EDS)の導入について。

  • ILSやERMS、複数のリポジトリを、TIND - CERN spin-offというオープンソース図書館システムに統合
    • 導入にあたっては、北欧の| Invenioのサポートを受けている
    • データリポジトリもTINDを利用して運用開始予定
  • PlumXを利用した研究成果分析やDiscoveryの利用状況調査を実施中、以下のようなことが明らかになっている。
    • 情報検索についてEndNoteのような文献管理ツールへのニーズ
    • 既知検索がほとんどで主題検索の頻度は低い
    • 最新の研究動向に把握しつづけることへのニーズが高い

リポジトリでは、図書館システムと外部システムのAPIによる連携が行われており、GitHubなどから図書館を経由せずにデータアップロードが可能といったことも質疑で述べられていました。

まだ、開発中と言うことですが、TINDのOPACもシンプルでなかなかまとまったデザインですね。
'library' - Search Results - Caltech Library Catalog
紙の資料はほとんど廃棄しているということが原因かは不明ですが、ファセット機能はほとんどありませんが。Course Reservesも検索できますね。

Discovery at The University of Chicago

JAMES MOUW氏(The University of Chicago Library - The University of Chicago Library)情報検索環境の構築について。

  • EDSを導入し、Webサイトではシンプルな検索窓を提供している
  • より専門的なニーズに応えるために右側にクイックリンクとしてデータベースリスト
  • ILL用のOPACが2つ存在するなど検索システムの整理が必要
  • システムはオープンソースのLSP、Kuali OLEを利用しているが、FOLIOへの移行も検討
  • あるSTM出版社でシカゴ大からのアクセスのリファラーを分析すると、80%以上がGoogleもしくはGoogle Scholarからの利用
    • リンクリゾルバからの利用は10%程度
  • Google Scholarは専門的な研究ツールではないといった研究成果があっても、ユーザー行動はかわらないので、それを踏まえた情報検索環境を構築する必要がある

質疑のなかでは、以下のことが述べられていました。

  • ユーザーのための情報検索環境の構築では、閲覧端末や学内からか学外からかといった利用環境にかかわらず、等しくアクセスできるような環境を構築するよう心がけている
  • ユーザーにとって図書館のツールは使いにくいものもあり、講習会などトレーニングの機会を作っているが、そもそもトレーニングが不要なツール

Discovery@NYU Libraries

Nadakeen Tempelman-Kluit氏(New York University Division of Libraries
New York University Libraryの情報検索環境について。持ち時間30分のところ15分くらいで終了。

  • MetaLibからEDSへ移行
  • 図書館WebsiteでOPACの利用は42%に過ぎない
    • 質疑で何に対する42%かという質問がでたが、ちょっと回答が理解できていません。OPACへのアクセスリファラーで図書館Webサイトの占める割合ということでいいのかな…
  • ユーザーの情報検索はGoogleGoogle ScholarWikipediaであり、図書館ではない
  • ユーザーインタビューを通して図書館のユースケースを収集している
  • 図書館のUIでおこりがちなミス
    • 文献を見つけてもアクセスの部分でつまづく
    • 検索時のファセットが活用されない
    • 認証方法でが複雑でユーザーが挫折する

A New Chapter in Library Technology

Tony Zanders(EBSCO)大学図書館からEx Librisを経て、現在はEBSCOのVice President。FOLIO - The Future of Libraries is Openの紹介とコミュニティへの参加の呼びかけ。

  • 図書館関連の技術が以前より細分化されている。
  • 一方でソフトウェアの設計やホスティングは簡単になり、コストも下がっている。
  • FOLIO-オープンソースのLSP
    • 非エンジニアの図書館員でも是非コミュニティに参加し、アイディアや意見を述べて欲しい
    • プラットフォーム上の規約に沿って開発することで、サードパーティのアプリでも共通のUIが提供可能、iPhoneアプリの開発イメージ
    • ソフトウェアそのものは完全に無償、ホスティングはEBSCOがサービスとして提供を検討している。日本にもデータセンターを設置を計画
    • 現在ソースコードを公開し、2018にver1.0やアプリのマーケットプレイスを公開予定
    • 各国の事情にあわせたローカライズの必要があるので、ぜひ各国のベンダーと協業していきたい
    • Special interst Groupsという形で日本についても議論をする場を作りたい。

質疑では、FOLIOのナレッジベースとしてEBSCOのものを利用するのかGOKbのようなオープンなものを利用するのかといった質問に対して、現在コミュニティで議論をしており、日本からの情報提供なども含めて参加して欲しいとのことでした。また、オープンソースのシステムを導入するメリットとしては、コストダウンそしてカスタマイズの柔軟性が挙げられていました。

雑感

国内の主要な図書館システムベンダーもおおむね参加していたようです。
昨年、ProQuestとExLibrisの買収*3が発表された際に、EBSCOの動きについてカールグラント氏がInnovative社など図書館システムベンダーの買収を予想*4していましたが、オープンソースというアプローチで図書館システムに手を広げてきました。
今後はEx Libris(ProQuest)、EBSCO、OCLCの3社による競争ですね。

おなじくオープンソースのLSPであるKuali OLEはFOLIOと合流したプロジェクトになるのかな。2016年9月に設立されたOpen Library Foundation の支援プロジェクトとしてFOLIO、OLE、GOKbが挙げられています。*5シカゴ大のOLEからFOLIOへの移行というのもこれを受けた話なのでしょう。

言語・環境的に多くのローカライズが必要になるであろう日中韓の3ヵ国でこのイベントをやるということに、EBSCOの本気を感じました。
関心のある方はMLやSlackのチャンネルに登録してみては。
FOLIO - The Future of Libraries is Open

韓国の大学図書館で何が話題になっているのか? 2016年版

図書館

とりあえず毎年書いている記事を今年も。韓国の大学図書館大会のプログラム紹介です。
去年はこんな感じでした。
otani0083.hatenablog.com

全体会

館/課長会議

実務グループ分科会

整理

収書

相互貸借

  • 相互貸借活性化のための学術誌所蔵情報オンライン構築
  • 障害者の図書館利用の活性化のための郵送貸出サービス

レファレンス・閲覧

電算部門

2日目は大学図書館発展計画のベストプラクティスとして5大学の発表とイリノイ大学の事例報告が行われていました。

個別の発表資料などは以下のURLに公開されています。
전국대학 도서관 대회에 오신것을 환영합니다.




過去記事
otani0083.hatenablog.com
otani0083.hatenablog.com
otani0083.hatenablog.com

国立大学法人の図書館システム(2016)

図書館

システムリプレイスを控えているので、国立大学法人の図書館システムの状況を調査しました。
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大学図書館システム(2016.1) - Google スプレッドシート

図書館システムベンダー(2016年1月現在と2010年4月)・WebサイトのCMSの利用状況・電子ジャーナルのリスト(≒リンクリゾルバ)・ディスカバリーサービスの導入状況などをまとめています。
誰でも閲覧・編集できるように設定です。

図書館システムは蔵書OPACを元に確認、CMSについてはChromeエクステンションのWappalyzerをもとに判定しています。というわけで、当然間違いなどあるかと思いますので、何かあればコメントをお願いします。
chrome.google.com

ベンダー別導入状況数

ベンダー 2016 2010
NTTデータ九州 24 26
富士通 21 24
NEC 19 13
リコー 19 18
日本事務機 2 1
丸善・京セラ 1 1
日立 0 2
ブレインテック 0 1

基本的にはNTTデータ九州・富士通NEC・リコーの4社のいずれかのシステムを利用しているという感じですね。

参考:カーリルの提供データを中心に2013年に図書館システムの導入状況を分析した嶋田の大学図書館における導入状況*1によるとベンダー別のシェアはリコー・NEC・ブレインテック・富士通・京セラ丸善の順でこの5社で80%を占めるとのことです。

2010から2016におけるベンダー移行状況

国立大学法人86機関のうち20機関がこの5年間でベンダーを切り替えているという結果に。NECが積極的に導入機関を増やしていますね。今回私立大学は対象にしませんでしたが、大きなところでは同志社なんかも富士通からNECへ切り替えていますね。

NECへの移行(8機関)

富士通への移行(5機関)

リコーへの移行(3機関)

NTTデータ九州への移行(2機関)

京セラ丸善への移行(1機関)

日本事務機への移行(1機関)

終わりに

ベンダーを移行した図書館・ベンダーの方にデータ移行に関するお話しを伺いたいところです。大学図書館研究とかで、そのあたりの知見が共有されないですかね。よく考えたら九大にいたのに、その辺りの仕事をしてこなかった…、何してたんだろう…。
次は各図書館システムベンダーのOPACの機能比較をやる予定です。

前回のリプレイスの時にも、はやしさんやまつむらさん達と一緒にLifoでまとめたなぁと懐かしく思いつつ。
大学図書館の図書館システム・リンクリゾルバ導入状況(2010年) - Google スプレッドシート

*1:嶋田綾子. 図書館システムの現在. LRG = ライブラリー・リソース・ガイド Library Resource Guide, 2013, no. 2, p82-82.

2015年のまとめ

雑記

2015年もあと1日、簡単に総括を。9ヶ月前までは福岡で働いていたのに大分昔のような気がします。

1~3月 修論・口頭発表・引き継ぎ、残務処理を。3月にはLi:d tech 福岡合宿も。
4~6月 業務的には九大出向前のポストに戻ったので戸惑うことは少なかったですが、そこそこの距離の車通勤など新生活でバタバタしていたような。あとは職場が改修工事を行うということで、その前の資料移動なんかをやってました。
7~9月 基本的には空き時間はカレントアウェアネスの原稿執筆を。某大学の司書課程の授業でスポットで講師をする機会をいただけたのでその準備も。
10~12月 カレントアウェアネスの校正作業や、沖縄県大学図書館協議会の研修会担当になったのでその実施に向けてあれこれと。名桜大学のライティングセンターと東北大学附属図書館のレポート作成を目的とした情報リテラシー教育について吉植さんにお話しいただいたりという企画を行いました。その他、学内でInstitutional Research研修に参加してました。この研修は面白かったので、ブログ記事にしたいと思いつつ下書きのまま、

総じて原稿に追われていたよう気がします。これまで基本的に自分のためにしか時間を使ってこなかったので、今年はいろいろ時間の使い方を考えさせられました。結果として定着したのは就寝起床時間をそれぞれ2時間くらい前倒して朝運動なり勉強なりする、通勤中にポッドキャストやオーディオブックを聞くといった程度ですが。

2016年の目標

  • ハーフマラソンを完走、尚巴志マラソン当たりを目指して
  • 将棋ウォーズで1級に
  • サガスカーレットグレイスとかSTEINS;GATE 0とかカルドセプトとかやりたいけれど…
  • あとはお金回りの勉強を

職場もリニューアルオープン、システムリプレイスを控えているのでそれに備えて淡々と準備をしていこうと思います。あとは某大学の司書課程の授業も調整がうまくいけば来年度もお声がけいただけそうなので、実現すれば今年の反省をふまえて改善していきます。

1月29日開催の国大図協シンポジウム「ラーニング・コモンズ、日本とアメリカでどう違う?-ラーニング・コモンズの役割を再定義する-」には出張予定ですので、参加される方どうぞ宜しくお願いします。

それでは、よいお年を。

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最近ランニングしている海岸。

Library Services Platformに関する記事を執筆しました。

図書館

カレントアウェアネスに海外の図書館システムのトレンド、Library Services Platformの動向レビューを執筆しました。

Library Services Platformの現在
CA1861 - Library Services Platformの現在 / 大谷周平 | カレントアウェアネス・ポータル

6月からの大きなタスクが終わってほっとしています。
10月に初校を提出後にEx LibrisがProQuestに買収されたというニュースを目にした時には大分焦りました。
それぞれのサービスは当面継続されるということで大きな変更は行いませんでしたが、脚注であげているカール・グラント氏のこの買収に関する考察なんかは是非眼を通して貰えれば。コンテンツ中立のディスカバリーサービスを一つ失ってしまったことや、図書館システムとコンテンツを一体として提供する流れになっており、今後のEbscoが図書館システムベンダーを買収するのではといった予想が述べられています。

Thoughts from Carl Grant: Another perspective on ProQuest buying the Ex Libris Group.

原稿執筆後の情報としては、Intotaについては本日時点で製品版リリースはでていません。AlmaとKuali OLEについてはそれぞれCA-Rで取り上げられたニュースがあります。
オーストリアの図書館ネットワークOBVが、Ex LibrisのAlmaを導入へ | カレントアウェアネス・ポータル
独の書誌ユーテリティhbzとGBVが“Kuali OLE”の開発パートナーに | カレントアウェアネス・ポータル

原稿に使わなかったものも含めて、関連論文をMendeleyのグループにまとめているので良かったらご利用ください。
Library Services Platform (Japan) | Mendeley Group
誰でも参加編集できる設定です。

原稿にも書きましたが、国内で各大学の図書館システム経費増額が想定しにくい現状、各システムベンダーに開発コストをかけることはなかなか要求しにくいですが、海外のトレンドが国内にも好影響を与えればと思います。あわせて図書館側もローカライズを減らしベンダー側の負担を軽減していくような流れになればと考えています。

執筆の打診、各種情報提供、校正とひたすらサポートしてくれたid:kitone、原稿にうまく活かすことはできなかったのですがSOASにおけるKualie OLEの状況を教えてくださった村上さん、各種情報提供にご協力いただいたEx Libris、ProQuest、サンメディア、紀伊國屋書店、ユサコ株式会社のみなさま、執筆全般にわたってサポートしていただいた国立国会図書館のみなさま、大変ありがとうございました。また、執筆時間確保に協力してくれた家族にも感謝を。

韓国の大学図書館で何が話題になっているのか? 2015年版

otani0083.hatenablog.com

otani0083.hatenablog.com
otani0083.hatenablog.com

すでに終了していますが、過去2年に引き続き韓国の全国大学図書館大会のプログラムを紹介するエントリです。

公式Webサイト
http://library.riss.kr/

今年は大邱で6月18日・19日に開催でした。

全体会

館/課長会議

実務グループ分科会(事例報告とグループ討議で構成)

整理

  • 統合書誌用 KORMARC 変換事例紹介
  • 大学図書館標目業務の現状とサービスサポート

収書

  • 主題別分館図書館と学部(科)との協力関係を通じる収書事例 :アメリカ UCLA 大学図書館サブジェクトライブラリアンの役割を中心に
  • 門主題分野収書と係わる国内大学図書館の事例共有
  • 図書定価制施行以後、各大学の収書進行状況
  • コンソーシアム交渉決裂による今後の大学図書館の対処事例など

相互貸借

  • 利用者主導の速逹相互貸借 : 米東部 11大学の Borrow Direct
  • KERIS 相互貸借 OpenAPI サービス及び活用ガイド紹介
  • 図書館相互貸借協業事例及び校内費用支援の現状

レファレンス・閲覧

  • 外国人利用者の図書館サービス支援方策
  • レファレンス回答の正確性に対する利用者満足度向上のための職員再教育
  • 図書館資料と施設物利用に対する利用者教育
  • 図書館延長開館に対する賛否

電算部門

  • パネル討議 : 大学情報化総合発展計画と図書館の役目

その他、2日目には以下2つの講演と大邱の近代路地ツアーが行われているようです。
-知識情報の好循環のための研究者を中心RISS再編の方向(KERIS)

  • 地下ロボットライブラリー シカゴ大ジョー&リカ・マンスエト図書館

韓国では2015年3月に大学図書館振興法が公布されていたんですね。
韓国の法令情報センターのwebサイトによると、
制定理由は以下のとおり(翻訳は適当なので、ご参考程度に)。

図書館を育成し、サービスを有効にする現行の「図書館法」では大学図書館学校図書館について基本的な事項のみ規定されている。
学校図書館の場合、2007年12月「学校図書館振興法」が制定され施行されているのに対し、大学図書館は、関連法が未制定の状態にある。
大学図書館は、専門分野の知識と情報を提供し、これを蓄積·管理して学問と歴史の発展に寄与した空間として、大学図書館の競争力は大学の競争力に直結しており、大学図書館法を制定する必要がある。
よって大学図書館の国と大学の責務、大学図書館の業務や大学図書館相互間の業務協力などを内容とする法律を制定することにより、大学図書館を振興しようとするものである。

制定理由
全文

コンソーシアム交渉決裂とかKERIS 相互貸借 OpenAPI サービスとかRISS再編とかいろいろ気になるトピックはあるのですが、とりあえずこんなところで。