AIエージェント開発記録(選書・GRDM・情報収集)

今さらながらAIエージェント開発を試してみましたが、自分の能力を超えたものが簡単に出来上がってしまいますね。中身がブラックボックス過ぎて、公開したり、運用を続けたりというには不安がありますが、自分用のツールを作る分には便利ですね。どんなツールを作ったのかとプロンプトの記録です。(書いてあるプロンプトで実装までして貰えますが、そこからチェック・改善のプロセスはそれなりに行っています。)

作成物

  • 選書支援ツール
  • GakuNin RDMとローカルPCの同期ツール
  • 海外ニュースの要約、メール通知サービス

使用AI

Google Antigravity

選書支援ツール

otani0083.github.io

所属機関用ということで、地域資料に関連した新刊情報の収集・所蔵チェックを中心にしました。
図書館システム上で取り込み可能なCSV出力まで出来るようにすればいいかなと考えています。

プロンプト

琉球大学附属図書館の選書支援ツールを作成します。
沖縄県内の出版社のウェブサイトから新刊情報を取得して、琉大の所蔵情報を調査してください。所蔵、未所蔵が判別しなさい。
新刊から、沖縄、琉球、奄美といった、地域資料の情報を調査してください。洋書の情報も含みます。
その他、総合大学として、沖縄関係に限らず備えておくべき学術書についても、同様にリストを作成したいです。
複数人で共有できるよう無料のウェブページとして公開、CSV出力、定期的な所蔵情報の更新を行う機能が必要です。

GakuNin RDMとローカルPCの同期ツール

理化学研究所のGakuNin RDMストレージマウンター・ダウンローダー/アップローダーを参考に、MacとWindowsの任意のフォルダとGakuNin RDMの任意のフォルダを同期するツールを作成しました。
dmsutil.riken.jp

個人用のGakuNin RDMのプロジェクトを作って同期しています。GakuNin RDMのOneDrive連携だと、GakuNin RDMの利点の一つである履歴が残らないので、その点で結構便利に使っています。
100GB無料の手軽なオンラインストレージとして、使って貰えればいいかなと思いつつ、パーソナルアクセストークンの取得というのは、そこそこに敷居が高いかもという気はしています。現時点では個人用として使っているので、ツール自体は非公開です。

プロンプト

Windows11、MacでDropboxの用に指定のフォルダとGakuNin RDMの指定のフォルダを同期するためのツールを作成してください。
理化学研究所のGakuNin RDMストレージマウンター・ダウンローダー/アップローダー(
R2DMSサービスを参考に。
以下の要件を満たしてください。

  • フォルダの設定・解除等はGUIで行うことができること
  • PC起動時に自動起動すること
  • 常駐ソフトとして、メモリ等を圧迫しない設計であること

海外ニュースの要約、メール通知サービス

海外ニュースの情報収集で楽をするために、記事を要約してメール送信してくれるサービスを作りました。記事翻訳をかけているので、こちらも非公開です。これはこれで対象サービス増やすとメールが増えていく一方なので、改善の余地ありです。

プロンプト

海外の図書館情報の収集を行います。
Scholary Kichen https://scholarlykitchen.sspnet.org/
Aaron Tay's Musings about Librarianship https://aarontay.substack.com/

今後、対象を追加出来るようにした上で、RSSを用いて情報収集を支援するようにします。
新着があると、記事本文を取得し、記事概要を要約し、日本語でインフォグラフィックを作成して、メールで送信するようにしてください。

メールはGmailから送るようにします。
GeminiのAPIの情報を提供します。

定期実行のため、Githubのプライベートチャネルを作るようにします。

こういうツールがあると便利だということを、短時間で実装してくれる点ではとても有用でした。一方で、冒頭に書いたとおり、自身の実装能力を超えていて、仕組みを完全には把握出来ないこともあり、公的なツールとして公開・運用していくのは難しさを感じます。当面は私的・館内限定とかで運用していくことになりそうです。

CA No.368感想メモ

2026年6月発行のCA No.368感想です。
4つの記事が掲載されています。

CA2100 – 遠隔複写のPDFファイル提供開始後1年の振り返り

2025年2月に開始されたNDLにおけるPDFファイル形式の複写物を提供する遠隔複写サービスについて、サービス背景や利用者からの反響、検討事項についてまとめられています。

>5. PDFDLの作業工程
では、業務システムの改修も含めて、結構な運用コストをかけていることがうかがわれます。「職員が自作したExcel等のツールを用いながら、申込み1件ごとに複数人で確認している。」とかですね…。

勤務館も「特定図書館等」になっているので、次のリプレイスでシステムカスタマイズなど入れる必要があるか、考える切っ掛けになりました。とはいえ、利用があるかというと…。遠隔地の方が恩恵の大きなサービスではありますが、補償金込みの料金設定が、なかなか厳しいですね。
SARTRASの補償金分配も大変そうですが、SARLIBはどうするんだろう…。

この記事とは関係ないですが、複写物提供になりますがILL需要そのものは、減り続けていますがそれは何故なのか(ILLなしで必要な資料が入手出来ているのであればいいのですが)ということも考えないといけないですね。(Rapid ILL導入とか、無償化への移行を考えるためにも。)それが、電子ジャーナル契約の改善やオープンアクセスの進展に伴うものであればいいのですが、それだけでは説明がつかなさそうな気がしています。
contents.nii.ac.jp

CA2101 – 視聴覚ライブラリーの現在と今後への期待


施設の減少、多くの施設で教材購入費が0であること、全国組織である全国視聴覚教育連盟の解散と、厳しい事実が並ぶ記事でした。

「6. 視聴覚ライブラリーの今後の在り方に関する期待」では、これまで収集されたコンテンツへの利用環境の維持、住民による映像制作の拠点になることの2点が挙げられています。とくに後者については、具体的な事例があるのであれば、記事内で触れて欲しかったところです。

正直なところ、大幅に環境が改善するとは考えにくく、CA2098 – 閉学に伴う大学・短期大学図書館での大規模な蔵書処分にあたって留意すべき事項 / 今野創祐 | カレントアウェアネス・ポータルにも通じる課題を感じます。所蔵するコンテンツの維持も含めて、いかにこれまで収集してきたコンテンツを継承していくのか、ということを考える必要がありそうです。

2026年3月に解散した全国視聴覚教育連盟のウェブサイトhttp://www.zenshi.jp/index.htmlも2027年3月までということなので、WARPでのアーカイブ等を期待したいと思いました。

沖縄の視聴覚ライブラリーはこちら。
https://www.lll-okinawa.info/teaching_material/

CA2102 – 動向レビュー:OERの動向:教育へのアクセス改善と質向上に貢献するオープンテキストブックに注目して

オープン教育資源(Open Educational Resources:OER)、オープンテキストブック(Open Textbook)、オープンコースウェア(Open Courseware:OCW)、大規模公開オンライン講座(Massive Open Online Course:MOOC)といった、これまで聞いたことはあるけれども、定義や関係性への理解が十分ではなかったことが、整理されていて勉強になりました。

>日本の大学生が1年間に負担する教材費(テキスト代、参考書代、実験用具代等)は平均して約4.0万円~9.3万円にのぼる
は、典拠になっている
令和6年度学生生活調査・高等専門学校生生活調査・専門学校生生活調査 | JASSOとあわせて、覚えておきます。オープンテキストブックは、折角オープンアクセスにも大学出版会に関わる仕事をする環境にあるので、取り組んで行きたいですね。

CA2103 – 研究文献レビュー:子どもの読書と図書館をめぐる20年:文献にみる児童サービスの展開

20年分の文献レビュー、かつ児童サービスという枠組みで、文献のトピックも多岐にわたるものを整理いただいて、勉強になりました。

児童サービスを専門に研究する教員が専任として担当する例は少なく、児童文学の研究者が担当したり、図書館員が非常勤講師として担当することが多い。「児童サービス論」で扱うべき内容は、現場に直結する実務的な内容から、児童サービスの理論や基本理念、さらには図書館員の使命に関わる内容まで多岐にわたるが、これらを偏りなく一定の水準で教授できる教員が不足しているといえる。その結果、大学間で授業内容に格差が生じている。

というところは、児童サービス論ではないですが、非常勤講師をしている立場で身につまされました。

CA367 感想メモ 2

current.ndl.go.jp

CA367の感想メモ続きです。CA368も刊行されてしまいましたが。

直接的、間接的にお世話になっている研究データエコシステムに関する記事です。

www.nii.ac.jp

業務に直結する事業でもあるので、内容的には初見であることはほとんど無かったのですが、事業の最終年度を迎えるタイミングで、経緯や生成AIの位置づけ、課題などを再確認できたのはよかったです。

CA前号で、エコシステムの支援を受けた名古屋大学の事例とあわせて読んで貰えると、事業の全体像とその中の具体的な取組となっているので、セットで一読すると良さそうです。
current.ndl.go.jp

個人的には、「5. 地域コミュニティを基盤とした全国展開」の部分が、エコシステムとして持続性を持たせるために
重点を置いている部分だと感じているので、そこはもう少し狙いなども含めて書いて欲しかったです。コミュニティをどのように形成、維持していくのか、というところが複数の領域において大学図書館における共通課題になっていると感じているので。とはいえ、コミュニティを複数維持していくというのもしんどそうですが…。

データ管理が負担増ではなく、研究の質向上につながる仕組みづくり

研究データ管理が大きなトピックになって、かなりの年数が経過しますが、今以てこれが課題であることには、複雑です。現場で何ができるかは、悩む日々ですが、とりあえず研究者との接点を増やしていくというのを続けていこうと思います。(研究データ管理に限らず)

CA367 感想メモ 1

あまり継続できる気がしませんが、再開してみることにしました。

No.367 (CA2096-CA2099) 2026.03.20 | カレントアウェアネス・ポータルの感想メモです。

以下の4つが収録されています。
current.ndl.go.jp
current.ndl.go.jp
current.ndl.go.jp
current.ndl.go.jp

業務との関連性が強いテーマのものが多い号でした。とくに学びが多かったCA2096についてのメモです。

CA2096 – CCライセンスを付与する際の主な留意事項と最近の動向:「PD BY」と「CCシグナル」 / 鈴木康平

図書館業務との関連性に触れながら、CCライセンスの概要、留意点、最近の動向について、まとめられています。
注の充実もあり、図書館員として、CCライセンスについて紹介するときに参照したいと思います。
留意点までは、さすがに知っている内容でしたが、PD BYという単語、CCシグナルの動向は認識していませんでした。

PD BYは以下のように定義されています。

「PD BY」とは、非常に多くの文化遺産資料の所蔵機関が、パブリックドメイン(Public Domain:PD)の文化遺産資料を忠実に複製してデジタル化したデータ(デジタル化に伴う新たな著作権が認められないデータ)に対して、利用者に所蔵機関を表記することを求める手段としてCC BYなどのCCライセンスを使用している状況のことを言う。

記事内では、何故問題なのか、どのような対応がありえるのか、という点まで示されています。
職場のデジタルアーカイブでは、画像はPD、著作権性のあるメタデータをCC BYとして公開しているので、PD BYの状態は回避しているはずですが、分かりやすいライセンスになっているわけではありません。

CCシグナルの動向も踏まえて、改善を検討しないといけないですね。

琉球大学のシーサー達

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Glideサンプル

上司が休み時間に学内のシーサーの写真をいろいろ撮影してくれたので、その画像を使って遊んでみました。
学内のシーサーだけでもいろいろ個性があって、面白いですね。

go.glideapps.com
quiz-maker.site

シーサーのクイズは琉大でも。作成した私ももう満点取れない…。

参考にした記事など

paiza.hatenablog.com
gigazine.net

Glideは、Google アカウントとGoogleスプレッドシートだけで簡単にPWAが作れるというものです。PWAはProgressive Web Appsの略で、モバイル向けWebサイトをスマートフォン向けアプリのように使える仕組みと言うことです。スマホ向けのギャラリーのようなものをコーディング不要で作れるのはいいですね。地図なども埋め込めますし、複数シートを作るとナビゲーションとして機能するようです。

以前にも学生さんが調査されたようです。
tokai-kyusyu.blogspot.com

折角なので、業務に絡めてなにか使えないかということや来歴に関する情報充実させられないかと考えていますが、なかなか難しい…。

奨励研究は不採択でした

otani0083.hatenablog.com


残念ながら、不採択でした。5月下旬には書面審査の結果を貰えるらしいので、それを見て次を考えます。
というわけで今年度Code4lib行くのは諦め、ネタは変わりそうですがまた再チャレンジします、多分。

IIIF画像をダウンロードできるツールを作りました。(Windows10用)

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digitalnagasaki.hatenablog.com

を見て、GUIアプリ開発の勉強がてら作ってみました。以下のリンクからダウンロード出来ます。(45MB)
www.dropbox.com

文字コードUTF8のテキストファイルを準備し、Manifest URIを1行づつ書き込んだテキストファイルを準備します。以下のようなイメージです。

https://www.dl.ndl.go.jp/api/iiif/2533251/manifest.json
https://www.dl.ndl.go.jp/api/iiif/1306954/manifest.json

ダウンロードしたexeファイルを起動した後に、参照をクリックしてテキストファイルを読み込むと、順番に画像をダウンロードします。

  • exeファイルと同一階層にManifestのlabel名のディクレトリを作成。
  • Manifestのlabel、attribution、metadataの各項目を記述したhtmlを作成。
  • 全ての画像を結合したpdfを作成。

エラー処理など一切していないので、読み込むファイルにミスがあると強制終了します。

GUIはPyQt5、exe化はpyinstallerを利用しました。
PyQt5 Reference Guide — PyQt 5.11.1 Reference Guide
PyInstaller Quickstart — PyInstaller bundles Python applications

pyinstallerは重いしファイルも肥大化しますが、簡単かつPython環境を準備して貰わなくてもよいのがいいですね。

はじめはGUIの記述にPython標準のTkinterを使っていたのですが、(自分のスキル不足のせいかもしれませんが)あまりに古くさく感じたので、そこそこお手軽そうなPyQtを選択しました。
GUIの構成は、ほぼイメージしていたものを実装している記事があって、大変助かりました。
qiita.com

今回私が書いたものは、以下に置いてあります。コピペが多くて命名が酷いですが…。
https://github.com/otani0083/iiif_image_downloader

重くて使いにくいと感じる方やMac使っている方は、Pythonで直接操作してもらえれば。
GoogleアカウントとChromeがあれば、インストール不要でGoogle Colabですぐに利用できます。
https://colab.research.google.com/

Pythonの入門書は機械学習ブームで、沢山出ています。個人的なおすすめは、ノンプログラマー向けでいろいろ活用の方法を書いているこの本です。

この本もPythonを扱っているし、図書館で使えそうなツールを作っていく形で分かりやすいのですが、Python2環境*1だったと記憶しているので、おすすめしにくくなっています。

*1:Python2からPython3で結構大きな変更が行われている